がんばらない。

奥様、長女(16歳)、長男(6歳)、次男(4歳)との5人家族。病院に勤務する医療情報システム管理者(医療情報技師)です。自分らしく生きたい!自分探しの毎日です。

日本医療情報学会理事長である大江教授が所属する東大病院で電子カルテシステムトラブル。

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(画像はIT Proから引用)

 

知らなかったのですが、年始から東大病院でシステムトラブルがあったのですね。

ブログ「NW屋的日常徒然日記」さんではじめて知りました。

東大病院電子カルテ導入トラブルのその後 - NW屋的日常徒然日記

 

そして記事はIT Proから。

東大病院は富士通に開発を委託し23年間利用した独自仕様の電子カルテシステムを刷新し、富士通の最新パッケージ「HOPE EGMAIN-GX」を導入。2018年1月2日に本稼働させた。だが外来診療を始めた4日以降、外来窓口が数日にわたり混乱。会計で長時間待たされたり、後日支払うよう求められたりする患者が続出した。

itpro.nikkeibp.co.jp

 

旧システムがオーダメイド主体のシステムだっとのことで、相当数のカスタマイズが加わっていたことは容易に想像できますね。そこからパッケージソフトの電子カルテへの切り替えはとても難しい作業だったでしょう。

ベンダーの富士通としてもこれまで東大病院からの様々な機能要望に応えてきたのだと思います。これがシステム更新の際に別ベンダーに変えられてしまうのはなんとしても避けたいのもわかります。だからといってパッケージソフトはカスタマイズできる部分は限られてしまいます。これまでの運用がそのまま新システムでは実現できないことも多いでしょう。

 

旭川医大とNTTの訴訟問題でも指摘されていましたけど、結局は病院側の内部でのシステム要求を取りまとめる能力と、ベンダー側との折衝能力の不足がこういった問題を起こしてしまうのでしょう。

itpro.nikkeibp.co.jp

旭川医大も東大病院もいずれも巨大組織。規模が大きすぎて組織としての意思統一を図るのは簡単ではなかったでしょう。中小病院ですら意見をまとめるのは大変なんですから。

 

なので組織の経営層トップや情報システム部門からのトップダウン的手法でないとうまくいかないかも知れない。現場の要求が通りにくくなってしまうけど、あれこれ意見を聞きすぎて、取捨選択できなくなり取りまとめできなくなるよりはよっぽどいい。

 

ベンダー側にも問題はあったのかも知れないけれど、改めて情報システム部門のプロジェクト管理能力というものがクローズアップされましたね。

 

そして、東大病院のシステム担当部長は日本医療情報学会の理事長、大江和彦先生です。医療とシステムについての専門学会のトップが所属する病院でのシステムトラブルというのもなんともまあ皮肉というかなんというか。

一般社団法人:日本医療情報学会(JAMI)