ビットコインのことはよくわからないが、ブロックチェーンを医療に活用すべきなのはわかる
正月明けに体調を崩してから、いまだに鼻水と咳が収まらない私です。今回のはほんとに長い。みなさんも体調管理にはお気をつけくださいませ。
さてさて、最近テレビCMでもよく見かける仮想通貨「ビットコイン」。
ビットコインを支える仕組みが「ブロックチェーン」なのですが、この技術を仮想通貨のみではなく、医療の世界に活用する動きが活発化しています。
では、ブロックチェーンの実体とは何だろうか。一言で言えば、仮想通貨の取引に関わるすべての参加者(コンピューター)が互いにその内容を共有し、正しさを検証し合える「台帳」である(図1)。
すべての取引情報を、ピア・ツー・ピア(P2P)と呼ばれる方式のネットワークに参加する各コンピューターがこの台帳に書きこむことを試み、PoW(Proof of Work)と呼ばれる計算競争を経て正当だと承認された内容を実際に書き込み、その内容を全コンピューターで共有していく。これによって、台帳の情報を空間的に分散管理し、改ざんや不正利用などのリスクを減らす。ある特定のコンピューターが持つ情報が失われても、ネットワーク上の他のコンピューターが管理する台帳の情報によって、もとの情報を正しく再現することが可能だ。AさんがBさんに10ビットコイン(BTC)を送金といった個々の取引に関する安全性は、公開鍵暗号と呼ばれる方式の暗号技術で守る。
この台帳にはもう一つ、大きな特徴がある。取引情報を記録していくブロックと呼ばれる単位、いわば台帳の1ページずつが、互いに鎖のように時系列につながった構造をしているのだ。あるブロックに含まれる情報を、ハッシュ値と呼ばれる値に変換して次のブロックに書きこむことでこの連鎖構造をつくる。ビットコインでは10分ごとに新しいブロックが台帳に書きこまれ、そのたびに鎖が伸びていく。ブロックをチェーンでつなげていくこの構造が、ブロックチェーンという名前の由来だ。台帳の各記録に時間的な連鎖性を持たせ、台帳を共有する全コンピューターでそれを検証可能にすることで、改ざんを極めて困難にしている。
かなり引用しちゃいましたが、要はすべてのやりとりをみんなで共有して管理しようというものですよね。ある箇所で不正に改ざんをされても他のコンピュータが管理している記録から不正を見つけ出すこともできる。そしてその記録のかたまりをブロックと呼び、そのブロックが連鎖的に関連付けられることによろい時系列的な管理も可能となるので、さらに改ざんすることが難しくなるというもの。
仮想通貨も医療記録も、不正や改ざんがあってはいけないものです。ブロックチェーンの技術を医療に応用しない手はありません。
医療の世界では、電子カルテシステムがようやくクラウドに対応してきたばかりです。しかもクラウドといってもその医療機関のみでしか使えない「閉じた」カルテです。
これからはパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)を具現化していく時代。
クラウド型電子カルテシステムからブロックチェーン型電子カルテシステムの進化も当然期待されています。
2月3日に北海道大学クラーク会館で行われる、日本医療情報学会北海道支部の学術大会では、このブロックチェーンに関する講演が行われます。なんとタイムリー!目の付け所がいいね!